光岡自動車 ビュート の魅力と特徴を徹底解説

光岡自動車 ビュートは、日本の独立系自動車メーカーである光岡自動車が製造する個性的なクラシックカー風のコンパクトカーです。ビュートは、日産マーチをベース車両として、往年の英国車ジャガーMk2をモチーフとしたエレガントなデザインを纏っています。この記事では、光岡自動車 ビュートの魅力や仕様、中古車選びのポイントまで詳しくご紹介していきます。

光岡自動車 ビュートとは

光岡自動車 ビュート

クラシカルなデザインが魅力の国産パイクカー

光岡自動車 ビュートは1993年に初代が登場して以来、累計1万3000台以上が販売されている人気モデルとなります。K13型は2012年5月から2023年3月まで生産された3代目モデルにあたり、日産マーチK13型をベース車両として採用しています。最大の特徴は、大量生産では成し得ない豊かな曲線美と遊び心をくすぐるクラシカルなフォルムでしょう。全ての工程を手作業で行い、ゆっくりと丁寧に作り出すそのボディは、熟練した職人技が生み出す「作品」といえます。

ベース車両は日産マーチを採用

光岡自動車 ビュート

ビュートは日産マーチをベース車両として、前後の外装を大きくモディファイしています。洗練された遊び心を秘めながらクラシックでしなやかなフォルムを纏い、落ち着いた雰囲気と快適性を兼ね備えたモダンな室内空間を実現しました。ベース車両がマーチであるため、信頼性の高いメカニズムと維持のしやすさも魅力の一つです。リアをノッチバックデザインに変更したことで、ベース車より全長と全幅が延長され、より優雅なプロポーションとなっています。

購入者の約6割が女性という個性派モデル

光岡自動車 ビュートの購入者の約6割が女性という統計があり、その可愛らしいクラシカルなデザインが多くの女性ドライバーから支持されています。どこに停めても目を引く存在感があり、駐車場でも自分の車がすぐに見つかると好評です。広い駐車場に停めても分かりやすく、迎えに行った先で相手が気付きやすい点も実用的なメリットといえるでしょう。目立つがゆえに、小さな町に住んでいると「昨日見たよ」と言われ、運転が慎重になるという声も聞かれます。

光岡自動車 ビュートのグレード構成とスペック

光岡自動車 ビュート

主要グレードと装備の違い

光岡自動車 ビュートのグレード構成は、「12ST」「12STプレミアム」「12DX」「12LX」の4つの基本グレードが設定されています。「12ST」と「12STプレミアム」はFF駆動のみですが、「12DX」と「12LX」にはFF駆動と4WD駆動の両方が用意されていました。さらに5ドアハッチバックタイプの「なでしこ」シリーズも展開され、こちらも同様のグレード展開となっています。プレミアムグレードでは、クラシックインパネやレザーシート、カラードドアトリムなどの豪華装備が充実していました。

エンジン性能と燃費性能

K13型ビュートに搭載されているのは、レギュラーガソリン仕様の1.2L直列3気筒DOHC水冷エンジン(HR12型)となります。最高出力は58kW(79PS)/6,000rpm、最大トルクは106N・m(10.8kgf・m)/4,400rpmを発生します。トランスミッションはエクストロニックCVT(無段変速機)との組み合わせで、車両重量は1,045kgです。実燃費は市街地走行で10km/L前後、高速走行で12km/L前後が目安となっています。

エンジンはマーチと同じものを搭載しているため、非力感は否めませんが、ビュンビュン飛ばすクルマではないため、街乗りには十分な性能といえるでしょう。

ボディサイズと室内空間

全長4,515mm×全幅1,680mm×全高1,550mmというコンパクトなボディサイズながら、室内長1,905mm×室内幅1,370mm×室内高1,270mmの快適な室内空間を確保しています。ホイールベースは2,450mm、最小回転半径は4.5mと取り回しやすいサイズ感です。最低地上高は140mmで、燃料タンク容量は41Lとなります。狭い道や駐車場でも気楽に操作できるサイズ感と、レトロなスタイルの両立が評価されているポイントです。

光岡自動車 ビュートの安全装備と特別仕様車

先進安全装備を全車に標準装備

K13型ビュートには先進安全装置が全車に標準装備されており、安全性能も確保されています。ブレーキ操作が遅れたときに車両や歩行者との衝突被害を軽減する「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」を搭載しました。アクセルペダルとブレーキペダルの踏み間違いによる急発進を抑制して、衝突防止を支援する「踏み間違い衝突防止アシスト」も装備されています。

さらに「車線逸脱警報」や「ハイビームアシスト」等の先進安全装置で運転をサポートし、クラシカルな外観ながら現代的な安全性能を備えています。光岡自動車 ビュートの中古車相場と選び方

光岡自動車 ビュート

ビュートの中古車価格帯

光岡自動車 ビュートの中古車価格帯は、状態や年式、走行距離によって大きく異なりますが、おおむね130万円から300万円程度で流通しています。特別仕様車や低走行車、オプション装備が充実した個体はさらに高値で取引されるケースもあります。カーセンサーの中古車相場データでは、平均価格が269.2万円となっており、新車時の価格からの下落幅は比較的小さいといえるでしょう。

希少性の高いモデルであることと、根強い人気があることから、リセールバリューも良好です。

中古車選びのチェックポイント

光岡自動車 ビュートの中古車を選ぶ際は、ベース車両がマーチであることを考慮して、エンジンや駆動系の状態を確認することが重要です。特にルーフの塗装割れはビュート特有の問題として知られており、現車確認時にはしっかりチェックしましょう。内外装の状態、特に手作業で仕上げられた外装パネルの状態や、クラシックインパネなどの特別装備の有無も価格に影響します。

走行距離が7万キロ程度で内外装がキレイな個体は人気が高く、HDDナビやワンセグTV、スマートキー、専用革シートなどの装備が充実していると、より満足度の高い購入となるでしょう。

維持費と注意点

光岡自動車 ビュートの維持費は、ベース車両が日産マーチであるため、一般的なコンパクトカーとほぼ同等となります。エンジンや駆動系、電装系などの主要部品はマーチと共通のため、部品の入手性も良好です。

ただし、光岡自動車独自の外装パーツや内装パーツについては、専用部品となるため修理や交換の際は通常より費用がかかる可能性があります。

定期的なメンテナンスを怠らず、特にボディの塗装状態には気を配ることで、美しいクラシカルな外観を長く保つことができるでしょう。燃料はレギュラーガソリンで経済的ですが、燃費性能は決して高くないため、経済性よりもスタイリングを優先する車といえます。

光岡自動車 ビュートの主要諸元表

光岡自動車 ビュート

セダンタイプ(FF駆動)の主要諸元

項目諸元
車両寸法
全長4,515mm
全幅1,680mm
全高1,550mm
ホイールベース2,450mm
トレッド(前/後)1,470mm / 1,475mm
最低地上高140mm
最小回転半径4.5m
室内寸法
室内長1,905mm
室内幅1,370mm
室内高1,270mm
重量
車両重量1,045kg
車両総重量1,320kg
エンジン
型式HR12DE
種類DOHC水冷直列3気筒
総排気量1.198L
最高出力58kW(79PS)/6,000rpm
最大トルク106N・m(10.8kgf・m)/4,400rpm
燃料供給装置電子制御燃料噴射装置
使用燃料無鉛レギュラーガソリン
燃料タンク容量41L
トランスミッション
変速機エクストロニックCVT(無段変速機)
タイヤ・ホイール
タイヤサイズ165/70R14 81S

なでしこシリーズ(5ドアハッチバック)の主要諸元

項目諸元
車両寸法
全長3,980mm
全幅1,665mm
全高1,515mm
ホイールベース2,450mm
最低地上高140mm
最小回転半径4.5m
重量
車両重量970kg
車両総重量1,245kg
エンジン
総排気量1.198L
最高出力58kW(79PS)/6,000rpm
最大トルク106N・m(10.8kgf・m)/4,400rpm

光岡自動車 ビュートの主要諸元表からも分かるように、コンパクトなボディサイズながら十分な室内空間を確保しています。セダンタイプとなでしこシリーズでは全長に535mmの差がありますが、ホイールベースは同一の2,450mmを維持しており、どちらも取り回しやすいサイズ感を実現しました。エンジンスペックは両タイプとも同一で、1.2L直列3気筒エンジンが安定した走行性能を提供します。4WDモデルも設定されており、降雪地域でも安心して使用できる仕様となっています。

光岡自動車 ビュート の魅力と特徴を徹底解説 まとめ

光岡自動車 ビュート

光岡自動車 ビュートは、日産マーチをベースに英国車ジャガーMk2をモチーフとしたクラシカルなデザインが最大の魅力です。1.2Lエンジンを搭載し、市街地走行で10km/L前後の燃費性能を実現しています。全長4,515mmのコンパクトなボディサイズで取り回しやすく、先進安全装備も全車に標準装備されているため安心して運転できます。

希少性が高く根強い人気があるため、リセールバリューも良好です。維持費はベース車両がマーチのため一般的なコンパクトカーと同等ですが、光岡独自の外装パーツは専用部品となります。経済性やスポーツ性を求めるのではなく、クラシカルなスタイリングと個性を楽しむための車として、多くのファンに愛され続けています。